白血病細胞株K562は種々の化学物質により赤芽球系細胞や巨核球系細胞に分化することが知られています。しかし、培養を続けるうちに本来の形質が変化し、正常に分化しなくなることがあります。
下記の2か所由来のK562は分化能の違いを検討しました。
(A)理研BRC提供中 RCB0027 K562
(B)某所由来 K562
方法
細胞数:1×10^6cells/10ml/100mm dish
培地:Ham F12 + 10% FBS
NaB (終濃度 1mM)になるように加え、96時間後に遠心する。
結果
分化誘導前のFACS解析では、細胞の大きさに多少の差が見られるものの、Glycophorin A、CD71の発現にほとんど差は見られません。 しかし、NaBを用いて赤芽球系に分化させると、
(A):理研由来のK562はヘモグロビンを合成した細胞が赤くなっているのに対して、
(B):某所由来のK562では正常なヘモグロビン合成が行われていないことがわかります