バイオリソースの品質と情報発信について バイオリソース研究センター (2014.09.01)
・ 提供時の品質管理
・ 寄託時の品質管理
提供時の品質管理 |
寄託者から提供された情報に基づいて検査を実施しています。
利用者の皆様には、受入れ後本格的に利用する前のなるべく早い時期にバイオリソースの品質、特性についてご確認ください。少しでも不具合や疑義がありましたら、速やかに対応させていただきますので、是非、ご連絡をお願いいたします(cellqa.brcriken.jp宛)。利用者の皆様からのフィードバックがリソースの質の向上に必要不可欠です。
すべての細胞(使い切り試料であるヒト臍帯血細胞及びヒト間葉系幹細胞を除く)(RCB、HPS、APS、HES、AES、HEV、HSC、GMC)
実施項目:
● 寄託者により指定された条件で培養及び凍結保存を実施し、生産ロット毎に抜き取り検査として以下の(1) (2)を実施
(1) 融解及び一定期間の培養を実施し、凍結融解に問題がないこと及び微生物(細菌、真菌)汚染がないことを確認
(2) DNA染色法及びPCR検査法にてマイコプラズマ汚染がないことを確認
未実施項目:
● 上記(1) (2)以外の細胞特性解析(核型解析、特定分子の発現等)
追加実施項目:
● 上記(1) (2)以外の検査を実施したリソースについては、検査結果をウェブカタログに掲載
すべてのヒト細胞
● 誤認細胞排除検査(他の細胞との取り違えや他の細胞の混入等を検出する検査)として標準的な解析方法となっているShort Tandem Repeat (STR) 多型解析を実施
寄託される先生方へ |
理研バイオリソース研究センター・細胞材料開発室の事業は、研究者から寄託された細胞とその付随情報から成り立っています。寄託者の皆様に深く感謝申し上げます。
培養細胞における変異や汚染等の発生は容易に想像できることであり、また実験系や知的財産権の高度化・複雑化に伴いリソースに関する正確な情報の把握が困難になってきています。しかし、これらが原因で、ご厚意でリソースを寄託した研究者が、利用者や第三者からの係争に巻き込まれることがあってはならないことであり、この度、利用者が同意する必要がある生物遺伝資源提供同意書を改定し、寄託者に対する免責文言を非営利用の第9項と第10項および営利用の第10項と第11項に加えました。このように法的環境を整備しましたので、積極的な寄託をお願い申し上げます。また、細胞を用いた研究の精度の向上のために、ご寄託の際には、取得されているすべての付随情報を一緒にご寄託して頂けますよう、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
寄託時の品質管理 |
寄託者から提供された情報に基づいて品質検査を実施します。リソース情報ならびに関連論文の情報は、ウェブカタログに掲載します。
すべての細胞(使い切り試料であるヒト臍帯血細胞及びヒト間葉系幹細胞を除く)(RCB、HPS、APS、HES、AES、HEV、HSC、GMC)
実施項目:
● 寄託者により指定された条件で培養及び凍結保存を行い、以下の検査を実施
● 融解及び一定期間の培養を実施し、凍結融解に問題がないこと及び微生物(細菌、真菌)汚染がないことを確認
● DNA染色法にてマイコプラズマ汚染がないことを確認
未実施項目:
● 上記以外の細胞特性解析(核型解析、特定分子の発現等)
追加実施項目:
● 上記の実施項目以外の検査を実施したリソースについては、検査結果をウェブカタログに掲載
すべてのヒト細胞
● 誤認細胞排除検査(他の細胞との取り違えや他の細胞の混入等を検出する検査)として標準的な解析方法となっているShort Tandem Repeat (STR) 多型解析を実施
一部の近交系マウス由来細胞(C57BL/6, BALB/c, C3H, 129, DBA/2)
● 一部の近交系マウス(C57BL/6, BALB/c, C3H, 129, DBA/2)に由来する細胞に関しては、Simple Sequence Length Polymorphism (SSLP) 解析を実施し、由来系統を確認
ES/iPS細胞
● 基本的には、すべての細胞で実施している検査項目のみを実施
● 特殊検査(核型解析、未分化マーカー、テラトーマ形成実験等)を実施した場合には、検査結果をウェブカタログに掲載
ヒト臍帯血細胞及びヒト間葉系幹細胞
● 寄託者から凍結保存状態で寄託された細胞をそのまま提供。細胞材料開発室では、培養も検査も実施していません。寄託者が実施している検査等は各々のホームページをご参照ください。