血清は、製造元、Lot毎にかなりの差があるので、必ず検定をして用いる。数種類のテスト用サンプルを業者から提供してもらう。
検定は、増殖曲線とコロニー形成率の結果を、検定済みの対照(従来品等)の血清と比較して判定する。 検定する血清が多数ある場合は、まずVeroの増殖曲線をスタンダードと比較して5種程度に絞る。 次にL929,NB1RGBを用いて同様に増殖曲線をとる。コロニー形成率により最終決定をする。
判定に際しては、血清の質や安定化も考慮する。
例:増殖曲線 – Vero,L929,NB1RGBなど、
コロニー形成法 – BALB/3T3 clone A31,HUC-Fなど
*注意:下の細胞数は参考の数で、細胞によって変えること。
(a)増殖曲線
(1) 基礎培地に各々の血清を2倍濃度含むように培地を調整する。
(2) 各々の培地を35mmdishに1mlずつ分注し、インキュベータに入れておく。
1点当たり2枚のdishを用意する。
(3) 細胞をトリプシン処理する。
ただし、トリプシンの中和にはFBS以外の血清を使用する。
(4) 細胞浮遊液を1000rpm、3min遠心する。
(5) 沈殿に血清を含まない培地を加えて再び遠心をする。
(6) 沈殿に血清を含まない培地を加えて細胞数を数える。
(7) 3~5×104cells/mlになるように血清を含まない培地で希釈する。ただし、細胞の播種数は参考の値であり、細胞種によって変えること。
(8) (2)の35mmディッシュに1mlずつ分注する。
(9) 1,2,3,4,6日目に細胞数を数える。
(b) コロニー形成率
細胞の播種数は、それぞれの細胞のコロニー形成能によって加減する。
細胞種によってはfeeder細胞が必要となる。
スタンダードの血清で、50~100個/60mmdishのコロニー数が数え安く、ばらつきが少ないので信頼できる。
(1) 基礎培地に各々の血清を2倍濃度含むように培地を調整する。
(2) 各々の培地を60mmdishに2.5mlずつ分注し、インキュベーターに入れておく。
1サンプル当たり5枚のdishを用意する。
<feeder細胞が必要な場合>
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<feeder細胞が必要でない場合>
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※その他の血清についても、その血清を用いる細胞を用いて同様に行う。